パリレンコーティングとは

パリレンコーティングは、原料を気体化し、分解・重合させることで、分子レベルで均一な薄膜を形成するコーティング技術です。

液体ではなく気体から成膜されるため、複雑形状や微細構造の隅々まで完全に被覆することができます。

完全コンフォーマルコーティングにより、従来技術では難しかった領域にも対応可能です。

パリレンコーティングと他コーティングの違い

パリレンコーティングは、従来のコーティング技術と比較して、被覆性・防湿性・信頼性の面で大きな違いがあります。特に、液体コーティングでは対応が難しい領域において、その性能差が顕著に現れます。

「塗る」のではなく、「分子で覆う」ことが最大の違いです。

パリレンコーティングは、単なる代替技術ではなく、従来のコーティングでは対応できなかった領域をカバーする高信頼性コーティング技術です。

電子部品・医療機器・精密部品など、失敗が許されない用途において採用されています。

完全コンフォーマル (形状追従) 被覆の原理

従来の液体コーティング
  • 塗布によるため、膜厚にムラが発生する
  • エッジや角部で膜が薄くなる
  • 微細構造や隙間の内部まで届きにくい
  • ピンホールが発生する可能性がある
パリレンコーティング(CVD)
  • 気体による成膜のため、均一な膜厚を形成
  • 複雑形状や微細構造にも完全に被覆
  • ピンホールのない高品質な薄膜
  • 超薄膜(0.5μm〜)でも高い保護性能
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薄くても、確実に守る。それがパリレンの本質です。

従来の液体コーティングでは、塗膜のムラや未被覆部分が発生しやすく、完全な保護が難しい場合があります。
 
■ 均一性の違い
 液体コーティング:膜厚のムラや溜まりが発生
パリレン:分子レベルで均一に成膜→ 隙間や微細構造まで完全被覆
 
■ 保護性能の違い
 液体コーティング:ピンホールや未被覆部分が発生
パリレン:ピンホールのない完全バリア構造

■ 膜厚と性能
 液体コーティング:厚くしないと効果が出ない 
パリレン:薄膜でも高い保護性能を発揮
 
微細な金属突起(ウィスカ)による短絡リスクにも対応可能です。

複雑形状にも対応する完全被覆コーティング

パリレンコーティングは、気相成膜により、分子レベルで均一な薄膜を形成します。
そのため、微細構造や狭い隙間、内部空間まで、すべての表面を均一にコーティングすることが可能です。
 
見えない部分まで確実に保護します。

パリレンコーティング装置

パリレンコーティングは、専用のCVD装置によって実現されます。

NTTFでは、用途や生産規模に応じたパリレンコーティング装置を提供しており、研究開発から量産まで対応可能です。

研究開発から量産まで、同一技術でスケール可能 

■ 装置の特長
 
  • 分子レベルで均一な成膜を実現
  • 複雑形状にも対応するコンフォーマルコーティング
  • 安定したプロセス制御
  • 工業用途に対応した信頼性

装置ラインナップ

Smaland
(小型装置)

  • 研究開発・試作向けのコンパクトモデル
  • 少量生産や評価用途に最適

Midland
(中型装置)

  • 幅広い用途に対応する標準モデル
  • 量産前の立ち上げにも対応

Highland
(大型装置)

  • 量産対応の高スループットモデル
  • 安定した連続運用が可能
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パリレンの種類と特性

パリレンには用途に応じた複数の種類があります。
パリレンコーティングは単一の材料ではなく、用途や要求性能に応じて複数のバリエーションが存在します。

代表的な4種類は以下です。

パリレンC(業界標準)

防湿性・耐薬品性に優れ、電子部品や医療用途で広く採用

業界標準の材料です。

塩素原子を1つ導入することで、成膜速度が大幅に向上すると同時に、湿気や腐食性ガスに対して優れたバリア性能を発揮します。

パリレンN(高浸透・高周波特性)

微細構造への浸透性に優れ、複雑な形状や狭い隙間への被覆が可能です。
高周波特性にも優れており、通信機器や高精度センサー用途に適しています。

最も純粋でシンプルなポリマー構造を持ち、優れた絶縁特性と、複雑な微細構造の奥深くまで浸透する特性を備えています。また、その誘電率は周波数に依存しないという特長があります。

パリレンD(耐熱特性)

高温環境下でも安定した性能を維持できるパリレンです。

車載機器や産業用途など、熱負荷の高い環境での使用に適しています。

ベンゼン環ごとに2つの塩素原子を導入することで、分子量が増加し、ポリマーの耐熱性および機械的強度が大幅に向上します。一方で、誘電特性はわずかに低下します。

パリレンF(極限環境対応)

フッ素化された独自の分子構造を持つパリレンです。

優れた耐熱性と完全な耐紫外線性、さらに非常に低い摩擦係数を実現しています。

すべてのパリレンの中で最も高いガス透過性を持つ特長があります

膜厚設計:用途に応じた最適コーティング厚み



用途別の膜厚目安
 
パリレンコーティングは、用途に応じて膜厚を精密に制御することが可能です。 
必要最小限の膜厚で最大の保護性能を発揮するため、設計自由度と機能性を両立できます。

■ 微小センサー・MEMS
 
0.1〜5μm
 
基本的な絶縁性能および防湿性能を確保しながら、寸法精度や機械特性への影響を最小限に抑えます。
 
 
■ 一般電子機器・プリント基板
 
5〜15μm
 
電子機器の信頼性確保に最適な膜厚レンジ。
防湿・絶縁・耐環境性能をバランスよく実現します。

 
■ 医療機器・過酷環境用途
 
25μm以上
 
最大レベルのバリア性能を発揮し、長期信頼性が求められる用途に適しています。

 
薄くても強い、それがパリレンの特長です。
 
パリレンコーティングは、従来の液体コーティングのように厚膜に依存するのではなく、分子レベルで均一に成膜されるため、薄膜でも高い保護性能を発揮します。
 

パリレンコーティングの重要工程:マスキング

パリレンは気体として成膜されるため、コーティングしたくない部分を保護するマスキングが重要になります。

  • 電気接点
  • 可動部
  • テストポイント

 

 品質を左右する重要工程です

高信頼性が求められる産業用途

体内環境でも確実に保護

優れた生体適合性(ISO13485準拠)を備え、体液から繊細なセンサーを保護するとともに、細菌の侵入を防ぐ完全なバリアとして機能します。

極限環境でも安定動作

通信機器、レーダー、無人航空機(UAV)などの過酷な環境用途において、超軽量で高いバリア保護を提供します。極端な高度変化や温度変化による故障を防止します。

過酷環境から電子機器を守る

EVの制御ユニットおよびセンサーを、燃料(ガソリン)やグリコールなどの液体、塩害、強い振動から保護します。

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医療分野におけるパリレンコーティングの価値

パリレンコーティングは、医療機器やインプラントにおいて、安全性・耐久性・機能性を同時に実現するコーティング技術です。

■ 生体適合性

高い生体適合性
体内で安定し、溶出や反応を起こさない材料特性により医療機器への適用が可能です。
 
■ 保護性能

完全なバリア保護
体液や湿気、細菌の侵入を防ぎ、電子部品やセンサーを長期間保護します。
 
■ 低摩擦

低摩擦特性による負担軽減
摩擦係数が低く、カテーテルやガイドワイヤーの挿入時の負担を軽減します。
 
■ 耐久性

滅菌プロセスへの耐性
オートクレーブ、ガンマ線、EOGなどの滅菌処理後も、性能を維持します。

過酷環境でも機能を維持するコーティング技術

パリレンコーティングは、航空宇宙・防衛分野など、極めて厳しい環境下でも安定した性能を発揮します。
 
■ 環境耐性
 
高高度環境や温度変化、湿気、塩害などに対して、電子機器を確実に保護します。
 
■ 完全被覆(コンフォーマルコーティング)
 
気相成膜により、微細構造や内部空間まで均一に被覆し、従来のコーティングでは届かない領域も保護します。
 
■ 軽量・高性能
 
超薄膜でありながら高い絶縁性能を持ち、機器の性能や重量に影響を与えません。
 

失敗が許されない環境で選ばれるコーティングです。

極限環境でも信頼性を維持するコーティング

パリレンコーティングは、航空宇宙や防衛分野など、極めて厳しい環境下での使用実績を持っています。
 
■ 環境耐性
 
塩害、湿気、化学物質、温度変化など、過酷な環境から電子機器を保護します。
 
 
■ 高精度・低ストレス成膜
 
室温で成膜されるため、電子部品に熱や機械的ストレスを与えません。
 
■ 微細構造への完全被覆
 
気相成膜により、複雑な内部構造まで均一にコーティングします。
 

過酷環境での実績が、信頼性の高さを証明しています。

導入までの流れ
評価から量産まで、一貫してサポートします。 

■ Step 1:材料・設計選定

用途に応じて最適なパリレン種類(N / C / D / F)と、マスキング方法を選定します。

■ Step 2:プロセス条件の最適化

膜厚、温度、成膜条件を調整し、均一で安定したコーティングを実現します。

■ Step 3:試作・量産立ち上げ

NTTFのコーティングサービスを活用し、装置導入前でも試作・初期量産が可能です。

■ Step 4:装置導入・技術移転

最適化されたプロセスをもとに、装置導入と現地トレーニングを実施します。

パリレンコーティングの導入、まずはご相談ください

パリレンコーティングで、見えない部分まで確実に保護します

パリレンコーティングの導入や評価について、専門エンジニアが個別にサポートいたします。
 
■ 提案内容

  • 最適なコーティング仕様のご提案
  • 試作・評価サンプルのご提供
  • 装置導入に関するご相談
 

NTTF Coatingsについて

パリレンコーティングと装置開発を両立する、専門メーカー

NTTF Coatingsは、パリレンコーティングおよびコーティング装置の開発を専門とするドイツの企業です。

コーティングサービスと装置開発の両方を手がけることで、プロセス全体を深く理解し、用途に最適化されたソリューションを提供しています。

医療、電子機器、自動車、航空宇宙など、高い信頼性が求められる分野で実績を有しています。

また、すべての装置は標準品ではなく、用途に応じてカスタマイズ設計されます。

コーティングから装置導入まで、一貫した技術提供が可能です。

NTTF Coatings GmbH
Im Kettelfeld 8
53619 Rheinbreitbach

https://nttf-coatings.de/en/

 

NTTF Coatings 社 日本代理店
合同会社 Beyond The Boundary

横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2階
TEL: 045 900 4443 / Fax: 045 900 4446
E-mail: info@btb-corp.com

 

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